【寄稿】ばれたくない、打ち明けられない。『吃音』を持つ人々の心理

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http://www.flickr.com/photos/62586117@N05/18094897608

photo by Neil. Moralee

今回、寄稿してくださったのは、飯干 隆寛(いいほし たかひろ)さんです!

「吃音」という聞きなれない病について執筆してくれています。

それでは、ご覧下さい。

皆さんは、何か言葉を発するときに「詰まることなくスラスラとしゃべれるかどうか」

を気にしたことはありますか? 普通のこと過ぎて、考えたこともないでしょうか。

吃音(きつおん)と呼ばれる言語障害があります。「どもり」と言えばピンとくる方も

多いのではないでしょうか。具体的な症状としては、同じ言葉を繰り返す(「あ、あ、あ、ありがとう」)、言葉を伸ばす(「あーーーりがとう」)、言葉が出なくなる(「…(無音)…ありがとう」)の3タイプが存在します。人によって症状の重さ、苦手な場面などは様々です。

成人では約100人に1人が吃音を抱えているとされており、当事者の絶対数で考えると稀な障害ではありませんが、世間にはその名前があまり浸透していません。その一方で、当事者は自分の名前が言えない、挨拶ができない、電話ができないなど、様々な社会的場面でコミュニケーションに困難を感じる日々を送っています。

私は吃音の当事者や関係者に取材をし、記事を書くという活動を行っていますが、「吃音を何とかして隠す」、「吃音のことを他者に打ち明けることがなかなかできない」というのはほぼすべての当事者の口から発せられることです。後者に関しては、「現在は家族や友人、職場の人達などに対してオープンにしている」という人も多数いますが、これらは当事者の誰しもが抱える苦悩だと言えるでしょう。その生きづらさの背景について、現時点で私が考えていることを2点でまとめてみたいと思います。

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1. 「よどみなくしゃべること」は当然のことであり、社会のスタンダードになっているということ。

国語の時間の本読みをとっても、みんながスラスラと読み進めていく中で、自分だけが

つっかえたり同じ言葉を繰り返したりしてうまく読めなければ、自分も周りもそのしゃべり方をおかしいと思うはずです。出席の際に「はい」という返事ができなければ、それは誰もが普通でない、おかしいと判断すると思います。なぜなら、スムーズに言葉を発することは、大多数の人ができるような当たり前のことだからです。当たり前のこと過ぎて、しゃべる内容を意識することはあっても、流暢に話せるかどうかに意識が向けられるということは一般的にほとんどないのではないでしょうか。

また、テレビの影響も大きいと思います。現在のバラエティー番組では、演者(特にお笑い芸人)が噛むと必ずといっていいほどそれを指摘され、笑いの対象になります。これはしゃべりの中で詰まったり噛んだりすることは「失敗」と認識されるということの象徴だと考えられます。番組内でのやり取りが日常場面でも再現され、スラスラとしゃべれないと「何噛んでんだよ」と笑われる、というのは多くの当事者が経験することです(「噛む」と「どもる」は別物で混同されがちですが、その話はここでは置いておきます)。

周囲から笑われたり指摘されたりする、あるいは自分で自分の話し方が他者と違うと気づくことで、うまく話せないことは恥ずかしいこと、おかしいことだと認識するようになります。結果、発話に対してプレッシャーや恐怖を感じたり、うまく話せない自分に対して劣等感や自己否定感を抱いたりということにつながっていきます。吃音を隠し、誰にも言えずに一人で悩みを抱え込む背景には、自分だけが周りと違う、そしてみんなができる当たり前のことができないという事実が存在しているのではないか、と考えます(決して吃音者が生きづらいのは社会のせいだとか周囲の無理解のせいだと主張するわけではないことを注記しておきます)。恥ずかしいものはなるべく隠したい、ごく普通な感情だと思います。

2. 吃音は「ある程度隠すことができてしまう障害である」ということ。

さて、「隠す」「隠したい」と述べてきましたが、これは目が見えない、耳が聞こえな

い、足が不自由など他の障害とは明らかに異なる特徴だと言えます。見えない障害である上に、それをごまかせてしまうことがあるのです。

例えば、言いにくい言葉を同じ意味の言いやすい言葉に言い換えたり、「えーと」や「あのー」という言葉を言うべき言葉の前に付けてタイミングを計ったり、語順を並び替えたりと、あらゆる手段を使って症状を露呈しまいと尽力します。緊張と不安で心臓がドキドキになりながらも頭をフル回転させ、神経を使って何とかその場を凌いでいくのです。

こうすれば、不自然な文になったとしても吃音だとはなかなかばれないし、表面上はうまく話せているという風に見られます。ただ、それができる場合はまだマシですが、言い換えができない言葉(例えば挨拶や自分の名前、書かれている物を読むなど)を言わなければいけない時や人前など苦手な場面では、そういったテクニックがなかなか使えず、結局どもってしまう…ということになります。

どもること自体が不安や落胆を感じさせるのはもちろんのこと、たとえ表面上はうまく話せているとしても、それは吃音を隠すために必死に言葉を選んだ結果なのかもしれません。また、仮にその場はうまく話せても、「次に話すときはどもるのではないか、どもったら嫌だな」となり、心配はなかなか払しょくされません。自分が自信を持ってしゃべれるところや言葉を選んでしゃべれば、どもっていないように見せかけることも可能です。

しかし内心では、「しゃべりたいことがあったけど、どもるのが怖くてしゃべれなかった……」などと落ち込むことも少なくなく、フラストレーションが蓄積されていきます。そもそも、しゃべらなければどもらないし、吃音がばれることはありません。

以上、吃音を隠そうと一人で格闘し、なかなか内情を周囲に打ち明けられない当事者の

姿を簡単に紹介させていただきました。当事者とていつでもどもっているわけではなく、非常に分かりにくい障害である上に、吃音を発症する原因は不明で、治療法もこれといったものはなく、正しく診ることができる専門家も非常に少ないのが現状です。皆さんの周りにも、人知れず悩んでいる当事者の方がいるかもしれません。

※吃音やどもるということが具体的にどういうものなのか、今回の記事だけではピンとこない方も多いと思われますので、ご興味がありましたら動画等をご覧になると分かりやすいかと思います。

飯干 隆寛(いいほし たかひろ)

公式ホームページ

飯干隆寛 (@mellamotaka) | Twitter

facebookアカウント

如何でしたでしょうか? 吃音者は意外と身近にいるけれど、「ただ話し方のおかしい奴」というレッテルを貼られているだけのことも少なくありません。

このような記事を通して、私たちも今回の「吃音」を含めた、「障害」というものについて考え、知識をつけていかなければいけないですね。

尚、毎年10月22日は国際吃音啓発デーになっております!

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だいちゃん(∀)

フリーライター・ハイパーメディアブロガー 1級身体障害者 年間500冊ほどの本を読む読書マニア。勉強好きの資格マニア。簿記や法律に強い。 暗い記事も書くけど、なんだかんだで自分の事をスーパー障害者だと思ってる変な人。お笑い好き。 炎上芸人。インターネット上の嫌われ者www

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