私は20代身体障害者(人工透析患者)ですが、余命が半分を切りました。 だからどうってことないけど。

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http://www.flickr.com/photos/93636241@N07/10667999425

photo by UCL Mathematical and Physical Sciences

「だいちゃんは、まだ若いから何でも出来るよ~」

という言葉をたまに頂きます。ありがたいことです。しかし、私は人工透析患者。普通の人の寿命の感覚とは少し違います。

そんなわけで今日は、普通の人は知らない人工透析患者の寿命についてお話しましょう。

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人工透析って一体何なの?

まず、人工透析というのは一体どういうものなのか、ということからお話します。

健康体の人間は、食べ物から栄養分を取ったり、水分を取ったり、塩分、糖分などなど、とりすぎても腎臓などの臓器が働いて、身体の中の栄養をを常に一定に保とうという働きをしています。そうやって健康を保っているのです。

特に腎臓は、そういう余分な栄養素や血液内部の老廃物(例えば疲れの元である、乳酸など)を「尿」として身体の外へ排出する働きをしています。

「慢性腎不全」という病気は、その大切な臓器である「腎臓」が死んだ状態です。

当然、本来ならその時点で命は亡くなっているのです。その、腎臓の働きを補うのが

「人工透析」と

いう延命治療です。

治療という名前ですが、これは正しい意味での「治療」ではありません。

「治療」という言葉は、本来ならば、続けることで病気を治す、という意味を持っています。しかし、人工透析は続ければ続けるほど、合併症などを起こし、身体が悪くなる。決して人工透析では身体は良くなりません。あくまで、機械を使って寿命を引き伸ばしているに過ぎないのです。

だから、人工透析患者は、「身体障害者」という扱いなのです。

では、人工透析患者は一体どの位まで生きることが出来るのでしょうか。

人工透析患者の寿命について

人工透析を最長で行なっている年数は、日本では35年ほどだと言われています。人工透析になる人のほとんどはお年寄りなので、その前に亡くなってしまうことのほうが多いです。

私の場合、19歳で人工透析を開始し、今29歳です。

29ー19=10 35ー10=25

これが私の”最大で生きれた場合の”寿命です。今の人工透析は、昔よりどんどん良くなってきているので、今より生き延びれる可能性もありますが、あくまで最長が35年、ということはそれより短いことのほうが多いので、平均するとだいたい、残り寿命25年というデータに収まるのではないでしょうか。

なので私の人生は、ちょうど折り返し地点にあると言えますよね。以上の理由から、あまり若いから、時間があるとは言えないのです。

臓器移植する為にはどうしたらいいのか

しかし、希望が無いわけではありません。

残念ながら、うちの家系はB型肝炎の影響があるため、家族間で腎臓を貰うことは出来ません。

残された可能性として、

1.臓器移植ネットワークへ登録し、順番を待つ

というのが選択肢の一つにあります。もちろん私も登録しているのですが、順番が回ってくるまでに15年~20年はかかると言われています。

自分は医療ミスのおかげで、長い間、登録出来ないような病状だったので、登録したのがつい最近です。なので当分この腎臓が回ってくることは無いでしょう。

その他の方法として、

2.IPS細胞(ヒト人工多能性幹細胞)の実用化を待つ

というものです。

この研究は、自分の細胞から臓器などを作るという研究です。研究が上手くいって、実用化が進めば「再生医療」の現場が大きく変わることになるでしょう。通常であると、他人から臓器を移植した場合、拒絶反応などのリスクがある為、免疫抑制剤を一生飲み続けなければなりません。

免疫抑制剤は、名前のとおり、身体の中に入ってきた病原菌(風邪の菌なんかもそう)を消滅させる役割のある「免疫」を抑える薬、弱める薬です。もちろん、様々な病気にかかりやすくなります。

しかし、IPS細胞で作った臓器は、自分の身体の中にあった臓器と全く同じものが作れるのです。だから、免疫抑制剤を飲まずに済む。病気を完治させることが可能なのです。

この研究は現在、京都大学を中心に行われています。

国内の臓器移植をもっと活発に

上記のどちらかでも実現すれば、私は残り27年とは言わず、もっと長生きをすることが出来る。もしかしたら、病気を完治させることが出来るかもしれません。

しかし、IPS細胞の実用化には数十年の月日がかかると言われています。

以上の理由から、臓器移植ネットワークに登録して、順番待ちをするのが現実的であると言えます。

だけど、上記でも書いたとおり、最低でも15年~20年は順番待ちをしないといけません。順番が回ってくる前に死んでしまう可能性もあるわけです。

その年数を少しでも早める為にはどうしたらいいのか。少しでも多くの人が臓器移植によって元の生活を取り戻す為にはどうしたらいいのか。

それは、国内の臓器移植をもっと活発に行わなければなりません。しかし、その為の「臓器」が日本では圧倒的に不足しているのです。

募金によって、人の命を知らずに奪っている

昔は、小児で心臓病を患った子供は、1億円以上の募金を募って、海外へ渡航して移植をしていました。

しかしこれは、1億円以上の大金を使って、心臓移植の順番を早めているに過ぎないのです。お金で順番を買っているのです。

1億というお金を使ったおかげで救われる命があった一方で、順番が下がることで死んでしまう子供もいる、という事実を知らない人も多いのです。

以上の理由なども含め、WHO(世界保健機構)は、自国と近隣国以外での渡航臓器移植を実質出来ないようにしました。要するに、自分の国の中で起こった病気なのだから、自分の国で解決しろ。ということです。

国民皆が臓器移植に感心を持つ必要がある

自国で臓器移植を活発にする為には、国民皆が臓器移植に感心を持つ必要があるのです。

脳死移植問題なども含め、誤った知識のまま、偏見を持っている人が多いです。

今までは、死んだ本人が「臓器移植カード」を携帯し、臓器提供の”意思表示”をしていなければ臓器移植をすることが出来ませんでした。

カードの記入ミスなどにより、臓器提供の意思があったにも関わらず、臓器提供が出来ず、無駄に火葬されていった臓器が沢山あります。

臓器移植について誤った知識、偏見は持たないで

現在は、臓器移植法の改正により、本人の意志表示がなくても、その家族がOKを出せば臓器提供をすることが可能になりました。しかしここでよく起きる問題が、

「自分の子供・身内の臓器を切り取るだなんて、例え死体だとしても”なんとなく・気持ちの問題で”嫌だ」

という人がいるということです。

別に切り取る現場を見なければいけないわけではない。どうせそのままにしていても火葬されて亡くなってしまう臓器。それが例え他人の中であろうと、臓器提供することで、自分の家族の一部が生き残ることが出来るのです。

それを何故、「気持ちの問題」で嫌だなどと言えるのでしょうか。嫌だということで、自分の家族の一部、臓器移植出来なかった患者、双方の命を奪うことになるのですよ。たかが「気持ち」のせいでね。しかし、親族にとっては、されど気持ちだということでしょう。私自身はあげられるものは全て差し上げますが、自分の子供のとなると、独身なので想像出来ない、冷たい部分が自分の文章の中にはあるような気がします。

世の中の臓器移植を増やすには、臓器移植によって沢山の命を救う為には、まずそういったものに関心のない国民皆が、意識して関心を持つ必要があります。

「自分が意識しなくても、国が勝手にやってくれるでしょ。」

というのは大きな間違いです。「世論」というものは国が、政治家が作るものではなく、国民が作るものです。

大勢の国民が臓器移植に感心を示し、世論を形成することで、臓器移植が今よりも頻繁に行われるようになります。沢山の命が救われるのです。

国家は、移植に使える福島の遺体の対応を放棄した

国家が何故、役に立たないのか。世論を形成する必要があるのか。今回、福島の震災を受けて国が臓器移植患者達に行なった仕打ちを一つご紹介しましょう。

東北の震災で沢山の人が亡くなりましたよね。ということは、ちょっと言い方は悪いかもしれませんが、津波で跡形もなくなった遺体を除けば、臓器提供の意思表示をしている人の中で、臓器提供の出来る状態の遺体もあったはずです。

しかし、国家は東電は福島の対応に追われていた為、医療現場までパニックを起こさないように、と配慮したつもりなのでしょうが、臓器移植ネットワークを通じて、

「法改正により、今回の震災で亡くなった方の遺体はその県内の住民、及び医療機関でしか移植に使うことは出来ません。」

という声明を発してきました。

震災の起きた地方では医療機関が麻痺していた為、当然のごとく、透析患者など、移植の必要が患者達は県外の病院に移されていました。

ということは、この声明は実質、臓器移植に使える遺体(移植に使用していいという意思表示をしているものを含む)を全て見殺しにする為に発した声明、だと言えます。

東電の問題ばかりがクローズアップされがちですが、医療現場ではこのようなことが起こっていたのです。

最後に

最近になってやっと、人工透析患者の存在がクローズアップされるようになってきました。しかしそれでも、まだまだ一般の人に広まっていないのが現状です。

それは人工透析に関わらず、全ての病気に対してそうです。特に、鬱病患者などは年々増加してきているにも関わらず、世の中へ正しい情報が浸透していません。

中には、自分がそういった病気にかかっているにも関わらず、正しい知識を持っていないため、病院にかからず、悪化していくということがよく見られます。

病気である、健康体である、に関わらず、「医療」という問題は国民皆が懸命に考えなければいけない問題です。

それは、大切な人の命を守る為でもあり、自分の命を守るためでもあるからです。

だいちゃん(∀)

※この記事には一般の方からの批判も多かったのですが、私の書きたかったことを上手くまとめてくれているブログがあったのでURLを貼り付けておきます。

http://d.hatena.ne.jp/masu2/20111001

 漫画なので人工透析のことが分かりやすい、読みやすい本です。

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だいちゃん(∀)

だいちゃん(∀)

フリーライター・ハイパーメディアブロガー 1級身体障害者 年間500冊ほどの本を読む読書マニア。勉強好きの資格マニア。簿記や法律に強い。 暗い記事も書くけど、なんだかんだで自分の事をスーパー障害者だと思ってる変な人。お笑い好き。 元炎上芸人。インターネット上の嫌われ者www
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